迷惑ってのは、「かける」もんだから。
人に迷惑をかけないってことは、
人と関わらないってことなんだよ、
それじゃひとりっきりで
自分の殻に引きこもっているのと一緒。
セックスだって人間関係だって、
迷惑はかけて当たり前なんだ。

矛盾は、自分の中でぶつけ合わせよう。
それは無駄な行為かもしれないが、
一生続けるだけの価値はある。
なぜなら自分の中に矛盾がある、
そのことを実感することこそが
大切なのだから。
僕にとってのAVの現場は、
「女の人」に対する自分の身勝手な妄想や
一方的な価値観を
気持ちいいまでにぶっ壊してくれる、
刺激的で意味のある場所だった。
ホントだよ、強がりで言ってるんじゃない。
僕は「どうせ」って言葉が大嫌いだ。
それはどんな思考をもストップさせて、
自己完結させてしまう言葉だからだ。
「そこから先」に
人を進ませまいとする言葉だからだ。
人は、考え、疑問に思うことをやめたら
絶対にいけないんだ。


童貞の教室
松江哲明+古泉智浩(マンガ)
山本史也

(購入はこちらAmazon.co.jp)

童貞の教室。
それは、「童貞を捨てるための教室」ではなく、
かといって「童貞であることを隠すため」の
ノウハウを教えてくれる場所でもない。
わりと全国どこにでもある。
自分をさして「草食系男子です」などと
言うようなやつはひとりもいないが、
「大人になった未来の俺へ」というタイトルで
自分宛の秘密の手紙を書いているようなやつなら、
あっちにもこっちにも、いっぱいいる。
何かを手取り足取り教えてくれる先生はいない。
そこは、
まちがえて、ひとりでかんちがいして、
恥と汗まみれの「しっぷうどとう」に
生きるための場所。
松江さん、古泉さん、
その教室に、
「卒業」の二文字はあるのでしょうか。

・・・答えを知りたい方は、
どうぞ、本を手にお取りください。

(編集担当・坂本裕美)

2010-05-21-TUE


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